私たちは、習慣に着目することで、もっと多くを、楽に成し遂げられるようになります。そのためには、まずは「習慣」と呼んでいるものについて、掘り下げたいと思います。
一般的な習慣の定義
一般的な習慣の定義は、以下の通りです。
長い間繰り返して、そうすることが決まりのようになっていること
繰り返された結果、比較的固定化されるに至った反応様式
この定義を、そのまま受け取れば、「単なる現象」といえます。
つまり、私たち脳は、「長い間の繰り返し」た行動を、当たり前のように、無意識に実行する機能を持っているということです。
たまたま良い行動を繰り返せば、良い習慣になります。たまたま悪い行動を繰り返せば、悪い習慣が身についてしまいます。
ただ、それだけです。
ここで重要なのは「たまたま」という部分です。
なぜ、私たちは「習慣」に無頓着なのか?
習慣は、
当たり前のように、特定の行動をすること
当たり前のように、特定の反応をすること
です。
習慣のおもしろいところは、「無自覚」であり「無意識」であり「自動的」な部分です。繰り返していると、いつか自動で起こる行動や反応に変わります。
少しずつ行動が変わっていって、いつからか気づかないうちに「当たり前のように行動」するようになります。
いつ、どこで、どうなったか、気づくことが難しいです。
このような「いつの間にか」という特性によって、私たちは、習慣に対して無頓着です。
悪い習慣も、良い習慣も関係ない
繰り返しになりますが、習慣は、単に特定の条件のもと繰り返したら発生する現象です。良い行動を繰り返せば、良い習慣が身につきます。逆に悪い習慣を繰り返せば、悪い習慣が身につきます。
ただ、それだけです。
しかも、私も含めて、自分がどれほど「習慣に左右されているか?」を考えたことがないと思います。
もし、あなたがダイエットしたいのに、なかなか成功しないのは、「ダイエットになる行動や、反応を習慣にできていないだけ」です。その原因は、意志力ではなく、繰り返せなかったこと です。
意志力ではなく、特定の条件下における「繰り返し」
ここでポイントは、「意志力」ではないことです。
私もそうでしたが、ダイエットが成功しないのは「自分の意思が弱いからだ」と思っていませんか?
ダイエットは、1日、2日で達成するものではありません。最低でも、3ヶ月は取り組む必要があります。ゆっくりとしか体重や脂肪は落ちません。逆に、一気に落とせば、必ずリバウンドしますし、健康を害してしまいます。冬に一気に体重を落とすと、基礎代謝も落ちて、風邪をひきやすくもなります。
肥満気味なのは、意思が弱くて、カロリーオーバーな食事をしてしまうことが、原因ではなく、カロリーオーバーな食事を繰り返した結果、習慣になってしまった だけなのです。
良いか悪いかは、わかりませんが「あなたに、そこまで責任はない」といえます。
もし、責任があるとしたら「繰り返される行動を、うまく設計しなかったこと」にあります。意志が弱いのではなく、「習慣形成を意識し、良い行動を選ぶように、設計しなかった」という責任があります。
悪い習慣を直視しよう
ここまでの話をまとめると、
習慣は「特定の条件下」での繰り返しによって作られる、単なる現象
脳は、習慣の中身である行動の良し悪しを判定しない
悪い習慣は、悪い行動が繰り返される状況を作ってしまっただけ
責任があるとしたら「繰り返しの設計」をできなかったこと
となります。
そして「習慣を意志の力で対抗する」ことは、非常に困難です。忙しい日常の中で、意志の力は、どんどん減っていきます。そのか弱い意志の力で、無意識の行動を押さえつけることはできません。
ということで「ダイエットができないのは、意志力がない」というわけではありません。
ここまで理解できれば、悪い習慣に対して、しっかりと直視できるはずです。ご自身の生活、仕事の中で、悪い習慣はないでしょうか?
それは、特定の行動の繰り返しによって生み出されているとしたら、その行動はなんでしょうか?
ダイエットの場合
私の場合、ダイエット、ダイエット、ダイエットと年中宣言してました。妻には「亀田家の伝統は、ダイエットだね」と、皮肉を言われる始末でした。
しかし、ダイエットできていない = 太り気味になる行動を直視すれば、いくつか該当するものがありました。
昼食を買いにコンビニに行ったついでに、おやつを買ってしまう
おそらく、カロリーオーバーな食事
運動をしていないことで、筋肉不足(代謝が低い)
これらを解消するために意志の力を使わず、意志の力を少しだけ動員して「習慣形成の設計」を行えば良いのです。
例えば、「コンビニ」に寄らない通勤経路を考えて、その道を通ることを習慣にします。これなら、比較的簡単に習慣化できます。これによって、一気におやつを買う回数が減りました。
おやつを食べない生活が続くと、コンビニに寄っても、おやつを買おうという気持ちが湧かなくなりました。本当に不思議ですが、「おやつを買うのは、惰性(習慣)だった」ということです。特に望んでもなかったということです。
同様に、カロリーオーバーな食事についても、運動についても、習慣形成の設計を行い、試行錯誤することで、解決することができました。
詳しいノウハウは、以下の投稿をどうぞ!
あなたに、これだけは知ってほしいこと
色々と書きましたが、この記事で、最も伝えたかったことは、以下のとおりです。
「自分の意志力のなさを責める必要はない。習慣は現象である。だから、自分を責めて、自己弁護をせず、冷静な気持ちになって、『悪い習慣を直視しよう』」
ということです。
悪い習慣を直視し、見つけることができたら、対策が可能になります。
次回予告
習慣と意志力について、深掘りします。
お楽しみに!