前回のニュースレターでは「Perplexity」の言葉から、ChatGPTや、Claudeに代表される大規模言語モデル(LLM)の中身に、足を踏み入れてみました。そして、Perplexityのネーミングに込められた意味を知ることをしました。
つまり、Perplexityは、
Perplexity(度)が低い、自信のある、不確実性の少ない回答をするサービス
知識にアクセスする際の面倒ごと(情報検索、理解、整理、まとめ)を肩代わりして、知識の民主化をすること
であると理解できました。
この目的を達成するために、Perplexity(パープレ)は、設計されています。つまり、調査の手順をAIが代わりに行います。
以下の是非、ざっと読んで(聞いて)イメージだけ掴んでください。そのあと、細かい使い方や、アプリの画面について紹介します。
ざっくりのイメージ
インターネットで情報を集め調査する場合、あるいは、検索を使った文献調査をする場合、以下のような作業をします。
目的を決める(どういう情報が欲しいかを決める)
情報を見つけるための検索キーワードを複数を考える
検索キーワードをあれこれ試しながら情報をかき集める
有用な情報だけを抽出する
抽出した情報を理解する
総合的な判断で結論を出す(まとめる)
例えば、社内でChatGPTを活用する際、APIを使って、料金を安く抑えるために、デスクトップアプリを採用することを検討したとします。この場合、
どんなデスクトップアプリがあるのか調べる
それぞれのアプリの特徴や、レビューを調べる
比較表を作る
となります。このような作業は、かなり時間がかかります。そもそも、どのようなアプリがあるか探すだけでも骨が折れるし、いろんなレビューをチェックするのも大変です。
そして、それぞれのレビューの内容をまとめ上げる作業をするのも、大変で、面倒です。
これらを、さくっとやってくれます。
オンラインコース・プラットフォームの調査例で考えてみる
実際に使ってみる様子をイメージするために、調査をやってみたいと思います。あなたは、オンラインコースを作成し、販売したとします。
どんなWebサービスを使うのが良いか、その情報を集めて検討したいと思うでしょう。この場合、調査の流れを考えます。
まずは、大雑把に考えると、以下のようになります。
そもそも、どんなサービスがあるのか?を知る
それぞれのサービスの特徴や、価格を調べる
それぞれのサービスの評価などを調べる
最終候補に絞り込んで、細かく比較する
調査に慣れていない人は、まず計画を計画を立ててから使うと良いです。
大雑把に調べる
では、まずはステップ1から進めていきます。
Perplexityは、知識の民主化を謳っているだけあって、驚くほどシンプルなUI(使うための画面)です。
この最初の検索画面で「オンラインコースを販売したいです。どのようなサービスがありますか?」と入れればOKです。
すると、勝手に検索キーワードを考えて検索を開始します。しかも、意思決定しやすいように、自動で「比較」に必要な情報まで取り出してくれます。調査を行う場合、最初は大雑把に調べます。
大雑把に調べる際、どんな項目が必要なのか?までをAIに指示しなくての勝手にやってくれることが素晴らしいです。Perplexityを使い続けると、徐々に、思考のエネルギーを節約し、もっと別のことに使えるようになると実感するはずです。
参考文献をチェックする
Perplexityは、特定の結論は、どの情報源からなのか?と言う参考情報、情報源を明らかにしてくます。そのリンクをクリックすることで、より詳細な情報を見ることができます。
必要に応じて、リンクをクリックして詳細な情報をチェックすると良いです。
もっと、高度な支持をする
Perplexity は、検索キーワードを考え、複数の情報源から情報を集め、それをまとめることに特化したAIです。このワークフローは、変わりませんが、そのプロセスを多少アレンジすることができます。
例えば、「英語で検索して、日本語に翻訳して回答してください」と言えば、英語サイトを中心に情報を集めてくれます。
これは、非常に便利です。情報源のページにアクセスした場合は、ブラウザなどの翻訳機能を使えば、言語の壁を悠々と超えていくことができます。
「英語で検索、日本語で」のように、アレンジを考えることが大切
「英語で検索して、日本語に翻訳」と言うのは、ハウツーのように思いますが、このような使い方が、マニュアルに書いてあった訳ではありません。
シンプルに「これやってくれたら、いいのにな!」「よし、試してみよう!」としただけです。
Perplexityは、AIです。「こんなこと、やってくれるかな?」と、気軽に試してみる(探求、実験する)ことが大切です。
「英語で検索、日本語に翻訳」は、あくまで例だと考えることが、とても大切です。
例えば、「サービスの良い面を中心に、まとめてください」と指示するなど、あれこれ試してみることが大切です。以下では、
“オンラインコースプラットフォームをリストアップし、それぞれの良い点を中心に解説してください。プラットフォームは、人気順に並べてください。”
と指示しました。
すると結果が並び変わった上、利点をまとめてくれています。もっと細かく指示すれうば、利用者が望むような形で情報をまとめてくれます。
例えば「実際の声」を調べてほしいと伝えると、レビュー投稿サイトらしき場所を中心に調べるようです。面白いですね。
追加の質問(フォローアップ)を効果的に使う
Perplexity は、追加質問(フォローアップ質問)が可能です。これは、非常に便利な機能です。一度の依頼で、必要な情報が得られることは少ないです。
さらに調査をする必要があるのですが、その調査の提案をしてくれます。自動で生成されたフォローアップを選択しても良いですし、自分で追加質問しても良いです。
とにかくPerplexityを専門家や調査員のように思って、気軽に、どんどん追加質問をしていくと良いです。
簡単なことから、使ってみる
Perplexityは、アプリも出しています。アプリもインストールして、「ふと知りたいことがあったら、すぐ使う」ようにして、気軽に「何度も使ってみる」ことが大切です。
まずは、全体像を掴んだら、何回も使うこと、さまざまな分野で使ってみることで、学習が進みます。
例えば、読書をしている最中に「わからない用語が出てきたら、すぐに検索」します。最新、行動遺伝学の本を読んでいて、用語の詳しい説明が欲しくなりました。その本の説明の箇所で、流れ上「説明が逆になっているのでは?」と思う箇所がありました。
そこで、以下のよう検索しました。
“行動遺伝学において、共有環境と、非共有環境はどんな意味ですか?”
と検索すると、さっとまとめてくれます。しかも、画像も取り出してくれるので、その画像も参考に理解を深めることができます。
さらにフォローアップで測定方法を調べることで、理解が深まりました。その結果、書籍の説明の一箇所が間違っているだろうと結論づけ、理解が深まりました。
まとめ
Perplexity は、調査代行をしますが、AIですので、多少、柔軟性があります。その柔軟性を生かして、指示を工夫することで、調査方法や、まとめ方が変わります。
これらは「使いながら、自分で実験する」ことを通じて、学ぶことが大切です。ノウハウを集めるよりも、まずは自分で、あれこれ試す、実験する、探求してください。
自分でアレンジする能力を身につけておくことで、ノウハウに頼るだけでなく、自分の状況や目的に合わせて、調査のための指示をアレンジできるようになります。
プロンプト(指示)をアレンジできる能力こそ、AI活用の鍵です。
是非、「実験」と「普段使い」から始めてみてください。調査が多い人にとっては、月額$20は安く感じるかもしれません。会社の経費で支払ってもらえるように、説得することをお勧めします。