Perplexity(パープレキシティ)とは何か(1) その由来から、理解を開始する
もしかしたら、あなたの調査の時間、質や、思考力を使う先を一変させる可能性があるパープレの概念を説明します
最近、Google検索を使う回数が半分ぐらいになりました。なぜなら、Perplexity(パープレキシティ)というサービスを使い始めたからです。
Perplexity は、「パープレ」の愛称でも呼ばれているので、以後は、パープレと書きます。
今日は、このパープレの全体像を文字(読み上げ音声)で理解できるように説明します。
この記事は、2つの目的があります
パープレ自体をお伝えする
効率の良い学習を体験してもらう
この記事を読んでくださっているあなたは、パープレに興味があり、どんなものかを知ること、あるいは使い方を知ることが目的だと思います。その目的に対して、もう1つ余分に「効果的な学び方」を体験してもらいたいというのが、私の意図です。
知識は力なり
効率の良い学び方の1つは、「先に知識を得て、実際に使う」というものです。この時の知識は、無理やり暗記するようなものではなく、
全体像
イメージ
構造
と表現されるものです。
私は、これを「メンタルモデル」と読んでいます。つまり、あなたの頭の中に、「パープレキシティって、こんな仕組みで動くものなのね!」という パープレのミニチュア版(メンタルモデル) を持つことを、知識を得ると表現しています。
まずは、パープレが「何をやっているの?」を理解していただこうと思います。
パープレがやっていること
調査の代行です。具体的には、
調査目的に対して、どんなキーワードで検索をかけるか考える
検索した情報をかき集める
中身を読んで理解する
複数の情報源からの情報を、整理整頓してまとめる
つまり、優秀な「調査スタッフ」の代わりをしてくれるサービスです。例えば、「生涯学習について調べて」とお願いすると、キーワードを考え、検索します。文科省のサイトや、NPOのサイトなど信頼度が高い情報源から文章を集め、詳しく説明してくれます。さらに、説明それぞれの根拠となっている引用先を示してくれます。
使い始めると、依存してしまいます(笑)。
なんとなくイメージが持てたでしょうか?これだけで、パープレを触り始めても良いのですが、せっかくなので「派生」しましょう。私が全方位学習と呼ぶことをやってみましょう。
なぜ、Perplexity というネーミングなのか?
「名は体を表す」というように、名前の由来や、意味を知るとパープレを理解しやすくなります。
Perplexityは「困惑、困難、面倒ごと」のような意味です。一方で、この単語は、AIの世界で使われる専門用語でもあります。
例えば、cadence (ケイデンス) という言葉があります。音楽の世界では、拍子を意味します。日常生活の中では、歩調を表します。いわゆる定期的に繰り返されるリズムのことです。
ところがロードバイク(スポーツ自転車)の世界だと、ケイデンスは、ペダルの回転数を表します。「坂を登る時の平均ケイデンスは、75ぐらいだった」みたいな使い方をします。75とは、1分間にペダルを75回転させたことを表します。
ちなみに、通常の自転車(ママチャリ、軽快車)の場合は、60回転程度です。ロードバイクで、サクサク走っている時は、85から90過ぎぐらいが多いと思います。もっと高い人もいますが、個人の特性によります。
とにかく「Perplexity」は、人工知能の世界では、別の意味があります。細かい説明をすると、まさに困惑するので、ざっくり説明します。
ChatGPTなどの生成AI(大規模言語モデル : LLM)は、次の単語を予測し、出力し、また次を予測し、出力しを繰り返して文章を作っています。本当は、この予測を高次元の世界で行っているのですが、割愛します。
とにかく「この文章の続きは、これだろうなー」と予測して、どんどん回答しています。
AI は実際には質問に直接答えているのではなく、質問文の自然な続きを予測して文章を生成しています。結果として、それが回答のように見えるのです。
なんだか脱線してきましたので、戻ります。
この予測をする際、いくつか「次になる候補」が現れます。この候補が多く、さらに、それぞれの点数が似たり寄ったりだったら、どれを選ぶか迷いますよね。どれが正解なんだーと「パープレ状態」になります。
つまり、「予測の候補が多い」ということは、「どれを選んだらいいの」と困惑する、困惑度が高いとなります。もし、次が確実だと思うものが出せるのなら、困惑はしません。
このことから「Perplexity」は、
高い場合(次の候補がいっぱい)は、自信がない(答えが間違っている可能性が高くなる)
低い場合(次の候補が少ない)は、自信がある(答えが間違っている可能性が低い)
ということを表す概念です。
ついてきてますか?
Perplexity(困惑度)が低い方が、正しい答え
ごちゃごちゃ書きましたが、全部忘れてOKです。以下の3つの箇条書きだけを覚えてください。
Perplexityは、人工知能の世界の用語
Perplexityが高いと不正解かもしれない(創造性が高いとも言える)
Perplexityが低いと正解かもしれない
このような用語です。
調査においては、Perplexityは低い方がいい
もし、あなたが、新しい商品のネーミングを考えていたとします。このネーミングをAIに考えてもらいたいとき、Perplexityは、高く設定しますか?低く設定しますか?
答えは「高く」設定します。
高く設定すると、おかしな答えも出しますが、いろんな可能性を探ることになります。創造的なことを手伝ってもらいたい場合は、間違いがあってもいいから、色々と出してほしいので、Perplexityは高くします。
一方で、長い文章の要約をしてもらうときは、Perplexity を「低く」設定したいですよね。あるいは、低いものが欲しいです。なぜなら、わからないところを、勝手に埋められて、間違いが混入すると困ります。
このように考えると、インターネットや、論文データベースなどを検索し、関連する情報を集めて回答する場合、Perplexity は、低く設定して、そこに書いてあること以上を盛り込まないようにすることが必要です。
Perplexity は、パープレにとって、すごく重要な指標
調査を代行するサービスですから、「Perplexity度」が高いのは困ります。低くしたいわけです。
先ほど説明したように、Perplexity度が低いということは、AI の予測の確信度が高いということを意味します。つまり、自信があり、より正確な情報を提供できる可能性が高いということです。
情報を集めて、整理するというのは、結構大変な作業です。大学などで、論文調査をしてまとめる訓練を受けたり、社会人になって、この手の仕事に従事して訓練した人でないと、多大な労力が伴います。
普通の人にとっては「困惑」「厄介」「面倒」な作業です。これを肩代わりするという意味でも、Perplexity との関連性が強いです。
またこのサービスのミッションは、 “複雑な検索に取り組み、正確で有益な答えをユーザーに提供する” ことを通じて、 “知識へのアクセスを民主化(誰もが使える)し、学習と探求のプロセスを簡素化する” としています。
このようなミッションとも、Perplexity は関連しています。
ここまで理解すると、「良いネーミングかも」と思います。そして、何度も、何度もパープレキシティという言葉を使ったので、覚えてしまいます。頑張らなくても覚えるし、いろんな知識も手に入ります。
これを全方位型学習と呼んでいます。
まとめ
Perplexity は、調査を代行してくれるサービス。次世代の検索エンジンと考えても良いです。熟練した調査員が行う「キーワード考える」「情報集める」「理解する」「まとめる」をAIが行ってくれます。
その能力は、訓練を受けた人レベルです。しかも、どんなジャンルでもOKです。
回答は、Perplexityが低い = 自信のある = 正確な内容です。情報源が明示されており、変に創作した文章ではなく、ある情報をまとめるところに、特徴があります。
Perplexity のサービスのミッションは「知識へのアクセスの民主化」です。インターネットにある膨大な知識、情報に多くの人が困惑(Perplexity)している現代、そのPerplexity度を大幅に減らしてくれるサービスといえます。
次回予告
次回は、Perplexity のやっていることを、細かく説明します。このサービスの目的がある程度、わかっていれば、「できること」「できないこと(あえてさせない)」が理解でき、使い所を選べます。
また、ライブラリや、ページといった興味深い機能もあります。これらについても、紹介します。
そして、最終的には「動画のデモ」をしたいと思います。有料版、無料版で、どんな違いが起こるか?なども、お見せできたらと思います。
では、次回をお楽しみに!