習慣は、十分に研究されている
習慣化のコツ、メソッドに関して、多くのメソッドが考案され、著名人が「私のオリジナルの方法、成功法則」のような形で、紹介されています。あるいは、習慣化コーチと名乗る人が、これまでのコーチング経験から導き出したコツを紹介していることもあります。
おそらく、それぞれが、各人に取って有効なものだと思います。
ただし、属人化された知識、ノウハウは、時に応用が難しかったり、特定の条件が揃わないと、実現できないことが多々あります。
そんな時、頼りになるのが「科学」です。
科学は「再現性」や「妥当性」を重んじます。断定を避ける代わりに、より多くの状況で、より多くの人に、そこそこの結果を約束してくれます。
何よりも、科学(知の体系)は「自分で考え、自分でアイデアを出し、自分で試す」ことができます。そして、自分の状況、環境、特性に合わせて、自分にぴったりの習慣化のメソッドを、自分で考案できます。
自分で考案できるようになれば、
思わぬことで、習慣が壊れてしまっても、別のアプローチで習慣を復活させることができます
良い習慣を作るだけでなく、悪習を断つことにも役立てられます
ダイエット、運動だけでなく、仕事やプライベートの様々な物事を対象に、習慣の力を利用できるようになります
このような「応用」を手に入れるために必要なことは、以下の2つです。
習慣の科学について知る
習慣の科学を使うプロセスを知る
KAMEDEMYでは、上記の2つをしばらくの間、書き綴っていきます(読み上げ音声もつけるので、聞くこともできます)。
今回は、「習慣の科学を、どう利用するか?」を解説します。
参考文献
まずは、参考文献を紹介します。習慣に関わる科学、研究をまとめている書籍は、以下の通りです。
超・習慣力について
「超・習慣力」は、出版社がキャッチーで、売れやすくするために付けたもので、ちょっとチープに見えます。原題は「Good habit, Bad habit」で、その中身は、習慣に関わる科学研究を集めて、整理して、読者に紹介するような内容です。
つまり、ハウツーよりは、「抽象度が高い」内容です。
もし、タイトルや、帯でチープだと敬遠して手に取っていないとしたら、もったいないです。是非、読んでください。
習慣超大全について
習慣超大全は、現代「Tiny Habit (The Small Changes That Change Everything)」となっています。直訳すると、「とても小さな習慣(小さな変化が、全てを変える)」となります。
こちらの書籍は、「小さな行動を習慣化させ、それをテコに習慣を強化したり、複雑な行動を習慣化させる」ことを提案しています。このアイデアは、超・習慣力で紹介されている方法の1つを、具体的にしたものと言えます。
習慣と脳の科学
3冊目は、「超・習慣力」の高度版のようなものです。目標達成や、行動選択、意思決定と習慣の関係や、習慣に関わる科学データなどをしっかりと分析、紹介しているものになります。
まずは、この1冊から始める
習慣の科学を知るには、上記の3冊を読むか、あるいは「超・習慣力」だけでも良いです。たくさん知識を溜め込む必要はありません。
研究が明らかにしてくれた「大枠」を知り、そこからアイデアを出すことができれば十分です。また、習慣の科学を使う実践ができてくれば、より多くの知識を吸収し、応用するのも簡単になります。
頭でっかちになるよりも、まずは「簡単に始める」ことが大切です。
習慣の科学の利用方法
習慣の科学を利用する方法は、以下の通りです。
習慣の科学を参考に、具体的なアイデアを出す
FILMシート(フィードバック分析シート)に記入
実行する(アイデアをテスト)
振り返り(フィードバック分析)を行う(次の行動なども計画)
これを繰り返すことで、「今のあなたの状況や、環境や、性格、対象」にぴったりの習慣化メソッドを作ることができます。
このループは、習慣ができてからも、ずっと続けます。より習慣を強固なものにしたり、複雑化していくように、このループを続けます。
上記のループを実行し続けていれば、仮に環境が大きく変わって、習慣が崩れても、すぐに習慣を復活させることができます。
このループのことを、私は「FILM学習サイクル」と読んでいます。実際、実行する場合は、FILMシートというものを使って実行すれば良いです。
習慣の科学に基づいて、アイデアを出す
上記のようなループを回す際に、「なんとなく、アイデアを出すのではなく」、体系的な知識(科学)から、アイデアを出した方が、習慣化に成功しやすくなります。
例えば、超・習慣力で紹介されている研究内容をざっとまとめると、以下の4つになります。
アフォーダンス、サイン : 環境、状況、きっかけ、既存の習慣を使うこと
摩擦 : 行動を起こすまでの抵抗、行動中の抵抗を指す
早い報酬、サプライズ報酬 : 行動の結果のフィードバックを指す、情報(見える化)も報酬になりうる。さらにタイミングや、不規則性が重要
ルーティン : 同じ行動を繰り返す方が良い。複雑な行動も、同じ行動の繰り返しにすることで習慣化されやすい
それぞれの項目を参考に、具体化したアイデアを出し、今の自分にぴったりだと思う(仮説を立てる)行動を実行します。
AIも活用する
ところで、上記の4つのポイントを押えて、実際の行動を考える際、AIを活用すると便利です。
私は、「超・習慣力」という書籍を、4つのポイントでまとめた文章を作り、さらに、4つのポイントで習慣化のアイデアを出した事例を用意し、それをAIに読み込ませました。
この「用途特化型」のAIに対して「習慣化アイデアを考えて」とお願いすれば、たくさんアイデアを出してくれます。その中で、ピンときたものを選び、アレンジして、上記の「FILM学習ループ」を回します。
以下は、AIが出力したアイデアです。
意外に使えそうなアイデアがありますよね?
しかし、やってみたら「意外なところで、失敗」することも多いです。だからこそ、上記のサイクルを回していくことが必要になります。
まとめ
今日の内容は、以下の通りです。
習慣に関しては、多くの研究がなされており、それを利用するべきである
研究(科学)は、抽象的で、1つ上の視点。だからこそ、応用が効く
研究を参考に、具体的なアイデアを出し、FILM学習ループを回す
FILM学習ループを回すことを継続すれば、習慣を強化したり、失った場合、素早く復帰できる
研究を参考に、具体的なアイデアを出すところは、AIを使うと便利(むしろ、新しい学び方として、積極的に採用してほしい)
次回予告
次回は、「そもそも習慣って何?」を説明したいと思います。私たちは、習慣について理解しているようで、その定義を理解していません。まずは、ここから始めたいと思います。
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