目的論というレンズを持とう
目的論とは何か、そしてそれが日常やビジネスにどう役立つのか。この記事では、目的論の基本から、マネジメントやマーケティングにおける適用例、さらには問題解決やコミュニケーションに至るまで、その多面的な活用法を解説します
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目的論という言葉を聞いたことがありますか?あまり馴染みのない言葉だと思います。P.F.ドラッカーは、著書で「因果律」と比較して「目的律」という言葉を使っています。
今日は、この「目的論」を探究して、日々の仕事、生活、思考に役立つ部分を取り出してみたいと思います。
一緒に、あれこれ考えてみましょう。
目的論とは何か?
さらっと流してください。へー、そんなものがあったのかーでOKです。
目的論は、哲学の世界のアプローチの1つです。かっこいい表現を覚えたい人は「テレオロジー(teleology)」という言葉を乱発しましょう。多分、嫌われます。
目的論(という立場)において、人間、生物、生態系、地球、自然、宇宙などは「なんらかの目的によって規定、支配され、それを達成するために存在し、現象を起こしている」と考えるものです。
スピリチュアルな世界、精神性の世界では、「宇宙は、自分自身を認識するために、私たち人間を作った」という考えがあります。これは、目的論といえます。
正しい、間違っているではなく、あくまでも立場であり、思考のための土台です。
ちなみに科学者は、「目的論」を否定する立場に立ちやすいです。多くの場合、無自覚にその立場になっていると思います。具体的には、宇宙は「ただ傍聴し続けて、最後には限界に達し、収縮し最後にはビッグバン前のような静な世界になる。そこに目的(意思)は、存在しない」と言いがちです。
もちろん、宇宙さんに聞いてみたことがないので、わかりません(笑)。
存在論と、目的論
もしかしたら「存在論」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。存在論とは、「この世界のさまざまなものが、どんな存在なのか?何か?」を考える立場をとる思考アプローチです。
科学は、どちらかというと「存在論」に近い立場をとっています。宇宙は、「こういうもの」「量子はこういうもの」「人間はこういうもの」と定義します。
この存在論と比較するとわかりやすいですが、「人間を含む、さまざまな物事が、どこに向かっているのか?何を達成するために存在しているのか?」と考えるのが目的論です。
「人生の意味」を考えるのは、目的論に近い立場です。
ヴィクトール・フランクルは、「人生に意味があるか?」と問う立場ではなく、人生の方から(神や、もっと大きな存在と言い換えてもいい)「意味を問われている」つまり、自分で考え出す必要があると言っています。
意味は、高度に抽象化された「目的」と言えるので、目的論的立場だと言えます。
このように並べてくると、「目的論」は、何かエネルギーのようなものを感じます。なぜでしょうか?
目的とは何か?
漢字は、イメージを形にしたものです。その言葉が使われ、共有されている「何か」に、ぴったりのイメージをはめたものです。
目 = 見続ける
的 = 目標物🎯
ということから考えると、「見続けている的」見たいなイメージです。もう少し、深く考えてみましょう。
単なる「向かう先」と「目的」は、どう違うでしょうか?
例えば、「宇宙が向かう先」は、ただただ、宇宙はそういうものとして、向かいます。邪魔が入ったら(邪魔ができる存在が何かは置いておいて)、おそらく違う方向に向かってしまうでしょう。
一方で、「起業家が目指す向かう先」となれば、違ってきます。邪魔があっても、それを回避したり、あれこれ工夫して乗り越えていきます。それこそが目的です。
つまり「目的とは、向かう先 + 意思」だと言えます。そして、向かう先のために、手段やプロセスをあれこれ変えるというのが、目的と言えそうです。
手段は「目的」によって、理解できる
ここまでで、なんとなく「目的」を理解できたとします。
別の記事であらためて書きたいと多いますが「わかる」とは、一瞬の感情と言えます。私たちの感情は、高度な情報処理の結果を伝える手段と言われています。
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