多くの人が生成AIの使い方の「前提」を間違っています。生成AIに、「キラープロンプト」を与えることで、すごい回答を得られると思っている方も多いようですが、そうではありません。コンテンツの理解、処理能力を活用することと、適切なやり取りこそが大切です。
そして、それは「具体的な事例をみることで」理解できます。ここでは、最新情報を理解し、その上で、自分のビジネスを成長させるアイデアを引き出すために使う様子で、生成AIの活用方法を、示します。
最新情報(ホワイトペーパー)、最新事例から学ぶ
日本でも、海外でも「ホワイトペーパー」と呼ばれるものや、最新レポートと呼ばれるものが配布されています。
ホワイトペーパーの由来は、イギリスで議会に提出する報告書の表紙が「白色」だったことから、政府、行政が発行する公式な報告書などをホワイトペーパーと呼ぶようになりました。
現在は、それが転じて、企業が作成する、最新レポートや、特定の分野を深く掘り下げたレポートをホワイトペーパーや白書と呼ぶようになりました。
最近、私がオンラインコースの提供に利用しているThinkificというWebサービスが「ホワイトペーパー」を出しました。
この最新レポートには、教育ビジネスだけでなく、企業の社内教育、顧客育成に対しての最新の活用事例、成功事例が紹介されていました。
ページ数は、83ページ、全て英語です。
年末の忙しい時に、これに目を通すだけでも大変です。そこで、AIを活用することにしました。
基本的なステップ
以下のようなステップで実行することで、全ての文章に目を通さなくても、重要な箇所を理解することができます。より細かく学びたければ、該当のページを探して読むことができるようになります。
PDFを、Markdown形式に変換する
AIに読み込ませ、全体像を回答してもらう
概要、全体像を尋ねる
直感で、詳しく知りたいところを尋ねる
積極的な質問をして、情報を引き出す
以下、具体的に説明します。
(1) PDFをMarkdownに変換
最近のAIは、PDFをそのまま渡すことができます。ところが、今回は、83ページもある上、グラフィカルなレポートだったことで、ファイルサイズが大きすぎました(31MBもありました)。
このままでは、アップロードできないので、Markdown形式に変換しました。
Markdown形式とは、テキスト型の文章で、どれが見出しで、どれが箇条書きか?がわかるものです。
「PDF to Markdown」などで検索すれば、いろんなサービスが見つかります。例えば、以下です。
このように見出しなどの情報がついた状態で、AIに渡してあげたほうが、AIが中身を理解しやすくなります。
(2) AIに読み込ませる
上記のテキストデータをコピー&ペーストして、テキストファイルを作成します。
ChatGPTでも、Claudeでも、ファイルをアップロードできる機能があります。これを使って、アップロードします。私は、ChatGTPも、Claudeも使っていますが、今の所、言語能力、理解力の高さは、Claudeが優っていると感じているので、Claudeを使って説明します。
(3) 全体像を把握する
まずは、このレポートの全体像を把握するための質問をします。全体像を把握できる情報を引き出すには、どう質問したら良いか?と考えて質問します。
AIが便利だと思えていない人の多くは、ほとんど使っていないか、「完璧なプロンプト(指示)を一発で」与える必要があると思い込んでいることです。これは、間違いです。
得たい回答をもらえるようなプロンプトには、正解がありません。したがって、その場、その場で試行錯誤(といっても、あまり難しく考えない)が必要です。
例えば、
「添付ファイルのレポートの内容の概要、全体像を説明してください。」
と指示を出したら、以下のようになりました。
パッと見て、「ムズ!」って思いませんか?
そう感じたら、気軽に、
「ありがとうございます。でも、難しく感じました。もっとわかりやすく説明してもらえますか?」
と聞けば良いです。
かなり読みやすくなりました。でも、これだと、大雑把すぎますよね。だったら次に、またお願いをします。
「ありがとうございます。おかげで、イメージが掴めました。細かく質問がしたいので、このレポートの内容のアウトラインを箇条書きで示してもらえますか?」
と聞けば良いでしょう。
回答をやり取りする時、可能なら「フィードバック」を与えると良いです。フィードバックも参考に、動きが変わったりします。また、「ありがとうございます」「とても分かりやすいです」のような丁寧な言葉と、良いフィードバックを与えることで、AIは、よりよく働きます。
このように、内容の「箇条書き(目次)」を作ってもらうことで、細かい部分を質問しやすくなります。
ちょっと解説: 全体像を把握するための「メタ知識」
全体像を把握するステップは、シンプルです。
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