突然ですが、あなたの趣味は何ですか?
もしかしたら、「ゴルフ」「ウィンドサーフィン」「スキー」「ロードバイク」などのスポーツが上がるかも知れません。
一方で、履歴書などに書くような「読書」「スポーツ観戦」「音楽鑑賞」「映画鑑賞」などをあげる人もいるかも知れません。
趣味とは何か?調べてみました
ところで「趣味」とは、どういうもののことを指すのでしょうか?日頃使う言葉ですが、実は曖昧です。まずは、その意味を考えてみましょう。
国語辞典で調べると、以下のような定義です。
「専門ではなく、楽しみにすること」
言葉にすると、納得しますよね。専門を仕事と言い換えても良いでしょう。私たち日本人は、仕事は「楽しみだけ」ではないと思っています。我慢することや、理不尽を飲み込むこと、妥協すること、理想と現実のギャップを見せられながらも、頑張ることととらえています。
また仕事=プロフェッショナル(専門)として、取り組むものというイメージがあります。真剣、苦しい、時々報われるみたいな感じです。
それに対して、趣味は「気楽」とイメージがあります。国語辞典の定義を見て、より明確に理解できました。
つまり、
趣味とは、専門あるいは仕事としてではなく、もっと気軽に、楽しみとして取り組む活動
ということです。
スキーで考えれば、スキーのインストラクターになり、生徒を抱え、教え、対価として報酬をもらうのが専門であり、仕事です。日々、自分の技術を高めること、トレーニングをすること、競争に打ち勝てるように準備しておくこと、教え方を学び、工夫することが求められます。
専門、仕事なら「一定水準以上」の知識、技術を持ち、継続して実力をアップさせておくことが求められます。
一方で、趣味としてのスキーなら、「気楽に滑るだけ」ということになります。
しかし、英語で「hobby(趣味)」を調べたら、その意味の違いに驚きました。
英語の趣味(hobby)は、積極的、創造的に取り組むことだった
気になって、英語でも調べてみたら、以下のように書いてありました。
解説: 一般に日本人は hobby を使いすぎる傾向がある。 hobby は、積極的、創造的に行う趣味(専門じゃなくて)のこと。その道では、ひけを取らないほどの本格的なものを指す。
このことから、例えば、「余暇に映画鑑賞をする」という場合は、”My hobby is watching movies” ではなく、”I like watching movies” や、 “I enjoy watching movies in my free time” などと表現する方が適切だとなります。
もしかしたら「そうか、趣味って気軽にいえないな」と思っているかも知れません。でも、英語のhobbyの意味をヒントに、「趣味」を再定義して、ワクワクするものに変えることができます。
趣味を再定義する
英語のhobbyの意味は置いといて、以下のように趣味を定義してみてはどうでしょうか?
仕事や自分の専門分野だろうが、そうでなかろうが
「積極的」かつ「創造的」に取り組む
しかし、一番大切なことは「楽しむ」こと
このような考えで取り組むことを「趣味」と呼んでみるのは、どうでしょうか?そして、この「趣味というアプローチ」を、仕事、自分の専門分野、日常のあちこちで使ってみると、面白いことが起きます。
洗濯を「趣味アプローチ」する
例えば、洗濯も「ただの家事」「しょうがなくやるもの」と決めつけずに、
積極的
創造的
楽しむ
という観点で、何かできないか?と考えてみます。
調べてみると「洗濯」は、いろんな技があります。洗濯機の形式によって、得意不得意があったり、遅い、早いがあります。
いつも自動にお任せしているなら、ちょっとだけ調べて「あえて、手動で時間を設定」してみるのも良いかも知れません。あるいは、違う洗剤を試してみたりすることで、汚れの落ち方を比べてみるのも良いかも知れません。
こうやって「新しい知識」を調べたり、「実験」をすることを取り入れれば、
積極的
創造的
になります。そして、どんな結果が出ようとも、「新しい発見」として、受け取れれば、楽しむことができるはずです。
また、洗濯機が回っている間に、「何ができるか」を考え、家事を効率化することを楽しむこともできるかもしれません。例えば、手動で25分タイマーで2回に分けて洗うようにする。それに合わせて、ポモドーロテクニックで仕事をするなど。
そして、洗い終わった後、干す作業を効率化するために、いろんな工夫をして、試して、実験してみる。新しいグッズを使ってみたり。さらには、独自の干す順番や、ルーティンを作って、「爆速」で干せることを目指してみたりするのも良いでしょう。
このように考えれば、洗濯を「積極的」「創造的」に取り組んで、楽しめます。
ご褒美は、家事スピードと、クオリティが上がって、自分の時間が増えることや、生活の質が上がることです。
いろんなところで、「3つ」を意識する
趣味アプローチの基本は、以下の3つです。
積極的 ・・・ 受け身ではなく、自分から行動を起こす。新しいことをする
創造的 ・・・ 実験をする中で、独自の方法や理論を編み出す
楽しむ ・・・ 失敗も成功も、面白がる。成長として捉える。アハ体験
もし、コーヒーを飲むなら、ドリップを「極めよう」としてみてください。仕事(専門分野)なら、一日中、何回もコーヒーを淹れて、味を確かめるトレーニングをする必要がありますが、プロを目指しているわけでなければ、「毎日3杯飲むときに、趣味アプローチする」で良いはずです。
豆の挽き具合を変えたり、注ぎ方、注ぐタイミング、量を変えたりすると、味が大きく変わったりします。さらに、いろんな豆を試すと(シングルオリジンや、ストレート、スペシャルティと呼ばれているものがおすすめ)、徐々に豆によって味が全然違うことに気づきます。そして、いずれは、「好みの味」がわかるようになり、自分の好みに合う淹れ方ができるようになります。
楽しいですよ!
科学を取り入れる
ところで、趣味として取り入れるなら「科学」も、学ぶと良いです。
例えば、コーヒーの科学を調べてみると、たくさんのことが得られます。コーヒーの科学を知ると、
なぜ、蒸らす必要があるのか?
なぜ、30秒ほどで第2投を注ぐのか?
などの疑問が解消します。
また、コーヒー豆から味が抽出される現象を理解できると、頭の中で「シミュレーション」できるようになり、より注ぎ方に工夫ができるようになります。ここまで来ると、ちょっとしたプロレベルだと思います。
同様に、洗濯も科学があるはずです。そういったものを調べると、それだけで、いろんな発見があるはずです。
「こうやったら綺麗になる」というノウハウを集めて、ノウハウコレクターになるのではなく、 科学(仕組み、メンタルモデル、構造)を知ること で、自分でノウハウを生み出せるようになると、もっと楽しくなります。
そして「応用」ができるようになります。
趣味アプローチを仕事、専門分野にも
趣味アプローチの3つは、仕事でも生かせるはずです。
積極的
創造的
楽しむ
仕事の場合は、正確性や、ミスを減らすことを求められるので、趣味アプローチできる場所が少ないかも知れませんが、アイデア次第です。
仕事の中でも、特に小さな部分に注目して、趣味アプローチしてみる
今の仕事にダイレクトには影響しない分野(でも将来関わるところ)で、趣味アプローチする
効率化に趣味アプローチをして、ダメそうならいつもの方法に戻す
などすれば、取り組めるはずです。
そして何よりも「楽しむ」ことが大切です。
KAMEDEMY の目的
KAMEDEMYでは、いろんな教材を作成していきます。その多くは、「科学、構造、メンタルモデル」を知ることを大切にして作ります。
例えば、プログラミングの勉強には「メンタルモデル構築」という視点が、非常に重要です。練習問題を繰り返したり、ネットで調べたコードや、AIに書かせたコードを、コピペしているだけでは、限界が来ます。
ちゃんと「メンタルモデル」を持つこと、それを精緻化する意識がないと、なかなか能力は伸びていきません。そして、何よりも「楽しくない」です。
KAMEDEMYは「学ぶことを楽しむこと」を大切にしています。それは、単に「できた!」という結果ではなく、そのプロセスが楽しいものであることを大切にしています。
いろんな教材を作っていきますので、お楽しみに。