現代教育では、結果重視で、本質的な理解よりも、「問題に応えられるパターン学習」が優先されていますが、そんな圧力を跳ね除け、自分自身の未来のために「本質的理解」を目指すべきです。
きっと、その決断と勇気は、10年後、20年後にあなたの助けることになります。おそらくは、1ヶ月、2ヶ月とい短期間でも、他者とは大きく違った結果を得ることになるはずです。
今日は、ITの世界を例に「本質的理解の大切さ」を説明します。
変化の中で残るもの
ITの世界は変化が早いと言われています。新しい言語、新しいフレームワーク、新しいツールが日々生まれては消えていく。そんな中で、どんな知識を身につければ良いのでしょうか?
私の経験から言えることは、「本質的な理解」を深めることこそが、10年後、20年後も役立つ知識になるということです。
インターネット黎明期、学びの原点
今から25年以上前、私が大学生だった頃、インターネットが爆発的に広がり始めていました。
当時はまだ「ホームページ」という言葉が新鮮で、一般家庭でインターネットに接続するにはダイヤルアップ接続で「ピーガラガラ…」という独特の音を聞きながら待つ時代でした。
しかも、電話中はインターネットができないので、深夜になってからインターネットに繋いでました(懐かしい)。
そんな環境の中、私はインターネットの仕組み、通信、サーバー、ローカルネットワークに強い興味を持ちました。古くなったパソコンと新しく購入したパソコンの2台を使って、サーバーとクライアントを構成し、試行錯誤しながらサーバー立ち上げを学んでいきました。
なお、私は総合情報学部というコンピューター系の学科に進学したのですが、大学ではサーバー構築の授業はありませんでした。またインターネットについて学べる授業もなく、「何のために入ったんだ?」と疑問を感じていました。
そして、大学の授業に期待するのをやめ、独学を始めました。その決断は、正解だったと痛感しています。
問いを深める学びが実を結ぶ
大学3回生の時、その知識を活かして研究室のネットワークを構築する機会がありました。Linuxサーバーを使ってWindowsの認証、ファイル共有、どのPCでログインしても自分の環境が開くような仕組みを作り上げたのです。
ここで大切なのは、単に書籍に書かれている「やり方」をそのまま実行するのではなく、「本質的な理解」を優先するアプローチです。
「サーバーとは何か?」 「通信とは何か?」 「デーモンとは?」 「ファイアーウォールとは?」 「セキュリティを高める単一プロセスからの起動とは?」 「暗号化通信、公開鍵暗号通信とは?」 「ドメインとは?」 「ポートとは?」
このように、あらゆる疑問を片っ端から解消するように学びました。大学の図書館に通い詰め、様々な専門書を読み漁り、「仕組み」を理解することに徹したのです。
そうすると不思議なことに、Windowsでも、Linuxでも、当時の大学で採用されていたSolaris(今はなくなったサンマイクロシステムズのサーバー)でも、すぐに理解できるようになりました。
この本質的な理解は、大学で博士号を取得した後、大学を辞め、起業した際に、独自サービスを提供するために、専用サーバーを自分で立ち上げる必要があり、その時に大いに役立ちました。
25年後の現在、輝きを増す本質的理解
そして驚くべきことに、25年後の現在、その当時の知識がいまだに役立っているのです。
変化の激しいITの世界では、25年前の知識などゴミか化石になるのが常識だと思われがちです。しかし、本質的な構造や仕組みは、そうそう変わるものではありません。
サーバー、クライアント、プロセス、セキュリティを高める基本アプローチなどを理解していたおかげで、最新技術の部分だけを補完することで、新しいサーバー環境を構築できてしまいました。VPSを契約し、仮想環境(コンテナ)のDockerをインストールし、Nginx(当時はApacheでした)をセットアップし、リバースプロキシを設定し、見事に必要なものを立ち上げることができたのです。
AIと本質的理解の相乗効果
ちなみに、最新技術の知識の補い方は、2年前には存在しなかった「AI」でした。
2年前なら、最新知識を補完するためには、インターネット検索や書籍の購入が必要で、かなり苦労したことでしょう。ところが、AIに私の知識レベルを伝えつつ、適切に質問することで、欲しい知識が短期間に得られるようになりました。
つまり、「本質」を学んでおけば、AIに適切な質問をして、必要な情報を得られるということです。そして、その本質的理解は、10年、20年先も役立ち続けるのです。
現代は、変化が激しいからこそ、本質的な理解の価値を実感できる時代になったと思います。
本当は、多くの人が気づいているはずなのに、無視していたり、本質的な理解をすることによる成功体験を学校で積んでいないことが原因で、「ハウツーに頼ろう」と思うのかもしれません。
(KAMEDEMYでは、「本質的な理解は楽しいし、興味深い。そして役立つ!」と声を大にし、他の大多数がチャレンジしないところへ飛び込む人を後押ししていきます。)
本質的理解を得るためのシンプルな方法
本質的な知識を得る方法は、実はそんなに難しくありません。
ただシンプルに「〇〇とは何?」「どういうこと?」と、子供のような気持ちで問いを発し、その問いの答えを求めるように行動し、自分の中に自分なりの理解を構築するだけです。
短期的な結果を期待せず、例えば「30分だけ!」と時間を決めて探求することでいいのです。詳しい方法やポイントは、今後KAMEDEMYでもシェアしていきますので、楽しみにしておいてください。
子供のような好奇心を忘れない
とにかく、「子供のような気持ちになって、問いを発すること。恐れず、その問いの答えを求めること。その時に、AIもフル活用すること」が大切です。
本質を理解する学びは、あなたの未来を支える強固な基盤となります。技術が変わっても、その下にある原理原則は変わりません。その理解があれば、どんな変化にも対応できる力が身につくのです。
緊急性が高い仕事ではなく、趣味やプライベートなこと、家事などから「本質的な理解」にチャレンジしてみてください。
きっと、違う世界が見えてくるはずです。
今回の記事が、あなたの良い学びのきっかけになれば幸いです。楽しめたのなら、いいね!を押したり、コメントで感想を聞かせてください!
高校生にとって、本質を理解する学びとは?
そんな問いを探求していきます!